D×D Bypar | ナノ




2

「ギャアァァァア!?」
「っ!?」

リオレイアの悲鳴のような雄叫びが耳を劈く。閉じていた目を開けて状況を確認する。


太刀を構えたハンターが僕の目の前にいた。

「…先攻、頼む」
「了解しましたニャ!」

抑揚のない声が僕の耳朶を叩く。しかしその声は僕ではなくオトモアイルーに向けられていた。命じられたアイルーは武器(小さいけど物凄く厳つい鎌だった)を振り上げリオレイアの頭部目掛けて勢いよく振り下ろす。
硬いもの同士がぶつかり合う音がして再びリオレイアの鳴き声が響く。怯んでよろけたリオレイアにハンターの太刀が容赦なく連撃を叩き込んでいく。僕の大剣じゃ斬れない翼を、胴体を、尾を易々と切り裂いていく。
リオレイアが攻撃体制に入った。やばいと思ったけど、それは杞憂に過ぎなかった。

何度も何度も斬り付けていたハンターの身体から紅い気が揺らめいた。


一瞬、時が止まった気がした


鬼人斬り−−−−−−−−
先程とは比べようもない斬撃が怒涛の勢いで繰り出される。リオレイアに反撃さえさせなかった。

ズゥン、と重々しい音を響かせリオレイアが倒れた。動かないことを確認してそのハンターはリオレイアら取れる素材剥ぎ取る。
再び立ち上がったハンターはここで漸く僕と目があった。


先程の気よりも紅い髪の、女性ハンターだった。



彼女が無言で立ち去るまで、親友が僕の頬を軽く叩くまで僕はその場から動けなかった。






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