3
アナグラへ帰投し、ファイはそのまま病室へ運ばれた。ラボラトリのソファーにはそわそわ落ち着かないコウタとタツミに諭され、渋々ファイの様子を見に来たソーマが座っている。
コウタいわく、ヴァジュラの一撃を貰う前にグポロ・グポロの牙も受けていたらしい。
「ファイ大丈夫かな…死んでないよな?」
「知るか」
「知るかって…そんな言い方ないだろ!あれ絶対俺達を庇って…!」
「…あいつが今まで誰かを庇う戦い方をしたか?」
「そ、れは…」
見たことはないけど、と続けようとしたコウタの台詞を、病室から轟いた轟音と複数の制止の声で遮られる。
「な、なんだ!?」
「知らねぇ、とにかく行くぞ」
二人は病室に飛び込んだ。
[ 81/105 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]