クレイジーイーター | ナノ




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それは、酷く懐かしい夢を見たからなのだろう。





ヴァジュラとマグマ適応型グポロ・グポロ討伐任務をファイ・ソーマ・コウタ・臨時で助っ人を頼んだタツミで行っていた。
当初はグポロ・グポロを追っていた四人だったが、運悪くヴァジュラと合流してしまい、二体同時に相手をする嵌めになった。

グポロ・グポロから打ち出されたマグマの塊をかろうじて避けたソーマは背後のヴァジュラから注意を反らしてしまった。

それがまずかった。

「ソーマっ!」

コウタの声ではっと後ろを振り返ったソーマは眼前にヴァジュラの爪が迫っているのを見た。
装甲の展開を行うが間に合わない。タツミとコウタはグポロ・グポロで手一杯でフォローに回れない。

ソーマは自分に襲い掛かるであろう衝撃と激痛に奥歯を鳴らすほど、食いしばる。

衝撃は、きた。激痛も、それなりに。

だがそれはソーマが考えていたものではない。衝撃は肩にだけきて、激痛も後頭部に走った。
突き飛ばされて、後ろに倒れた。ソーマが頭を回転させ、考える事が出来たのはそこまでだった。

「…っ」
「な…!」

ヴァジュラの爪が、ファイの背中に深々と突き刺さっていた。



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