クレイジーイーター | ナノ




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ええー何で何で!?と騒ぐオレーシャを見ながらファイはレンも余計なものを置いて行ってくれたなと舌打ちした。

そう、ファイが彼らの姿を視認し会話できるようになったのはほかでもない、リンドウの神機の人格意識であるレンが姿を消したその日からだった。

最初は、疲れているのだと思っていた。
小さい子に声をかけられ返事をしたところコウタに何独り言言ってるんだ?と言われ首をかしげた。
確かに自分は人を遠ざけるために変人ぶる癖(というか趣味?)がある。が、独り言など逆に寂しがっているように見えそうだと思っているため絶対にない。

これが俗に言う「霊感」などというものであるのがわかったのが、皮肉にも目の前の三人を視界に入れてしまったからなのだ。

オレーシャは知らなかったが、エリックとヨハネスは知っていた。なぜなら二人はファイの目の前で死んだのだから。

だから、ああ、最近良く独り言多いなと言われるのはこれかと納得すると同時にこの口喧しい幽霊共を視界にいれにゃならんのかとファイは本気で首をくくろうかと思ったくらいに絶望した(酷い)

「・・・と言うか誰だ死人に口無しなんて戯言ほざいたファッキンジャパニーズは」

怨嗟さえこめて既に死んでいる諺の作り手に、ファイが数少ないボキャブラリーの中からありったけの罵倒を呟くのもまあ無理はない話しなのだ。



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