クレイジーイーター | ナノ




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ファイは思う。

前支部長のアーク計画を潰し、リンドウも半アラガミ化と言う形ではあるが帰ってきてまあアラガミが相変わらず世界を蹂躙していると言う事実があるにしろ一通り落ち着いて自分もまあリーダーなんて面倒なものをさせられている割にはまあゆったりしてもばちは当たらない筈なのに何故こうも自分の周りはうるさいのだろうか。

『エリナは僕に似て、華麗で可憐な子なんだ』
『うっわ、所謂シスコン?ドン引き・・・アリサのが何千倍もかわいーんだから!』
『ふっ、本当に二人は彼女たちのことを大切に思っているのだね』
『『当然!!』』
「・・・おい」

ファイは限界まで小さくした声で目の前の三人に声をかける。しかしその背後から立ち上っているものはさまざまな負の感情をこれでもかというほど混ぜ込んだどす黒いものだった。
しかし、彼らには関係ないようで、むしろ何故ファイがこんなに機嫌が悪いのかと首をかしげていた。

『どうしたんだい新型リーダー君?僕が華麗すぎて嫉妬でもしているのかい?大丈夫、君も十分華麗に戦っているとも』
『うんうん、アリサには負けるけど君もじゅーぶん可愛いよ?』
『ファイ君、そんなに眉間にしわを寄せていてはソーマのような愛想のない顔になってしまうよ?』
「総て一重に貴様等の所為だ・・・!!」

まるで地獄のそこから這い上がってくるような声でファイは目の前の三人をにらみつけた。
目の前の三人、右からオレーシャ、エリック、ヨハネス。ちなみに全員故人だったりする。
そう、故人であるはずの彼らとまだ生きているファイが、会話をしている(もちろん周りから見たらファイが一人で勝手に怒っているように見えている)



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