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ファイが不機嫌な理由は明らかだ。
もうそろそろコウタを自重させないと本気で怒りだしかねないとリンドウが思った時だった。
「凄いなファイ!凄く綺麗だ!」
驚かなかったのはそう言ったコウタただ一人で、リンドウもファイも時が止まったかのように固まった。
ファイなど目が驚き過ぎでいつもの黄緑より少し薄くなっている。
それを知ってか知らずかコウタはファイの顔を両手て挟み覗き込む。
「!」
「ほら、また変わった。ファイの目は万華鏡見たいで綺麗だ」
その時のファイの表情は、ニコニコとしていたコウタと硬直していたファイは気付かない。だが、リンドウは見えていた。
白い肌に、俄かに差す淡い朱色。
(こいつは…コウタの単純さの勝ちだな)
ファイにもちゃんと年相応な所もあるじゃないかとリンドウは内心嬉しくて仕方なかった。
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