クレイジーイーター | ナノ




7

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ミカドが倒れた。

その報は父と母に多大な衝撃を与えた。
そして、ミカドはとある病に罹ったことがわかった。病というよりは、侵食されかけていた。未発見だったオラクル細胞によって。

黒かった髪は瞬く間に白く抜け落ち、同じく黒かった目は赤茶色に変わる。右目は赤茶からさらに変色して暗い青緑へと変化し視力を奪っていった。


急激な変化を見せ苦痛に眠ることさえできないミカドを見て、母はただただ嘆くことしかできない。
助けを求めたフェンリルからは−−−−多額の、外縁部に住む一家には到底払うことのできない金額か、風神帝が感染した新種のオラクル細胞への実験体として提供するかのどちらかを提示していた。

帝ごめんね−−−−

病床のミカドは母のその台詞を夢うつつで聞いていた。
そして、父の声が一向にしないなと、またどこかでよその子供を笑わせているのだと、泣きたくなった

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