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うんうん呻くミカドを尻目に、第一部隊の水遊びはエスカレートしていった。
「死ねこのクソッタレ!!」
「お前が死ね根暗白髪!!」
前言撤回、水遊びなどではない。戦争だ。
コウタとソーマが熾烈な戦闘を展開している。いつもの仏頂面は何処へやら、鬼の形相のソーマが吠えながらチャージクラッシュを叩き込み、キャラ崩壊したコウタは水中へ逃げ、そこからモルターを打ち出す。いや、神機使うなよまじで。
「前から気障っぽいと思ってたんだ!やっと本性出したな!」
「うるせぇ!お前は前々から煩かったんだよ今即座に黙れ!」
「お前が喋らないから代わりに喋ってやってんだ感謝しろっ!」
「誰が頼んだ恩着せがましい!」
お互い本音だだ漏れだ。サクヤとリンドウと言えば。
「ふぅ、運動した後はこれだなぁ」
「そうね」
呑気に配給ビールを飲んでいた。
誰も止めることのないこの異質な状態にミカドは死に体で呟いた。
「だ、誰か…止めてくれ…」
それっきりミカドは動かなかったが、誰も気付かなかった。
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