クレイジーイーター | ナノ




3

「レオン」
「よう、お前もあの惨状想像して回避した口か?」

大男もといレオンはよっこらとアリサの隣にしゃがみこむ。右腕の包帯が気になったがヘアピンで額を出しているレオンに少し噴出した。

「・・・なんだよ?」
「い、いえ・・・おでこ出してると可愛いなって・・・」
「へーへー、どおーせ俺のデコは狭いっつの」
「でもはげにくいそうですよ」
「よっしゃデコ狭万歳」

思わずガッツポーズをするレオンにアリサは再び小さく噴出す。初対面の時の印象こそ悪かったが、話してみると彼が一番付き合いやすい。深く入り込まずされど浅すぎず、レオンは心を開かせるのがうまい。

「で、調子悪いのか?」
「え?」

突然言われた台詞を理解できなかったアリサは、レオンのなんか嫌そうだからよという台詞にそんなに露骨に出てたのかと恥ずかしくなりうつむく。

「どうした?そんなに体調悪ぃなら・・・」
「ち、違います。そんなんじゃないので心配しないでください」
「いやいやいや、そんなに暗そうにされちゃ心配にだってなるっつの」

本気で心配そうなレオンにどんどん申し訳ない気持ちになってきたアリサは、小さな声で言った。

「・・・私、泳げないんです」
「は?」
「だから、その、泳ぐということに縁がなかったから・・・」

きょとんとするレオンにアリサはとうとう恥ずかしくなって膝の間に顔をうずめてしまった。



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