クレイジーイーター | ナノ




7

そして、リンドウは本日何度目かもわからないため息をつく。

「・・・やれやれ、困ったやつだ」
「なら」
「関わるな、か?残念だがそいつは聞けないな」

先手を打たれてファイは更に顔をしかめさせる。そんな顔をした部下を、今度はためらわずに近づいて真剣な表情で見た。

「なら聞くが、お前から見てコウタとソーマは一緒か?」
「な・・・」
「サクヤとアリサは?ミカドとレオンは?俺と姉上はどうだ?」
「・・・」
「コウタは騒がしいしソーマは時々いるのかどうかわからんくなる位静かなやつだ。サクヤは頼れるやつだしアリサは不安定だが優しい。レオンはいい兄貴分だと思うしミカドは純粋に和やかなやつだと思う。俺はどうかはよくわからんが姉上はまあ・・・鬼教官だろう?第一部隊のやつらだけじゃあない、受付のヒバリや防衛班のタツミやブレンダンやジーナだって全く一緒じゃあない」
「・・・」
「もう一度聞くが、お前からみて一緒か?こんなに個性あふれて扱いづらくて、一緒にいて最高に楽しいやつらが人形に見えるか?」

リンドウの見据える目が、ファイの目捉える。いたたまれないのならそらせばいい視線をファイはそらせなかった。それでも沈黙を守るファイに、リンドウは少し語尾を和らげた。

「ま、俺はお前さんのこと全部知っている訳じゃあない。過去に何かあってお前はそう思うようになっちまっただけで・・・きっかけがあれば変われるんじゃないか?」
「きっかけ・・・」
「ま、今はとにかく第一部隊の奴らとなじめるようにな。一番一緒に行動することが多くなるんだから」
「・・・できる訳ない」
「他人の方法ならな。でも、お前だけにできるコミュニケーションの方法はあるさ」
「・・・」
「ゆっくりでいいから探しにいけ。ちょっとずつでいい、誰か一人でいいから愚痴れる奴を作っておけよ?」

そういってリンドウはファイの頭を少し乱暴になでた。




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