クレイジーイーター | ナノ




6

急に滑らかになったファイの言葉にリンドウは一瞬面食らう。
そして、湧き上がった感情はファイの人間性に対しての、純粋な興味だった。

「ほう、なんでそう思う?」
「群れているみんなは一緒に見える。気持ち悪い」
「そいつはどう言う意味だ?」
「個性が見当たらない」

まるで吐き捨てるように言った台詞は、リンドウの耳を通過して脳へ浸透する。リンドウはその言葉の意味を追求することなく、ファイに続きを促した。

「流行ったモノ、デザイン、宗教、言語・・・みんなそれを身に着けて、まるで人形に見える。私はそうはなりたくない。私が誰かの影響を受けて、同じことして同じものを身に着けて。考えただけでも気が狂いそうだ」
「・・・ほう」
「アナグラだってそうだ。同じ制服を身につけ腕輪をつけただひとりの統率者を仰ぐ。全く忌々しいこと」
「だからそんなに他人を拒絶するのか。今までの奇怪な行動も?」
「あなたに何の関係がある?」

冷たく切り返されて、リンドウは改めてファイを見る。その目からはありありと憐憫が見て取れた。その感情をファイも読み取ったのだろう。不愉快そうに目を細めた。



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