クレイジーイーター | ナノ




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しかしコウタと言えばゴメンゴメンと笑うだけだ。ソーマが呆れた様に踵を返すが、逃がさんと言わんばかりにコウタの手がフードを鷲掴みにする。その隙に離れようとしたレオンの制服の裾もまたしっかり捕まれていた。

「いーじゃんよー、一緒に飯食べよーぜー?」
「断る」
「俺もパス」
「そんな連れないこと言うなよー!」
「あそこの飯口に合わねえんだよ!自分の部屋で作って食うわ!」

レオンの一言に、コウタだけではなくソーマもぴくりと小さく反応する。一瞬にして降りた沈黙にレオンが気まずそうになんだよと聞き返す。

「…レオン、料理できるんだ…意外すぎ…」
「…同感だ」
「余計なお世話だ!」
「だって…ねえ?」
「ああ…」
「うるっせぇ料理出来て何が悪ぃ!」

がおうと吠えたレオンにコウタは一瞬ニヤリと笑った。そして、その笑みは頭に血が上っていたレオンには見えておらず、端でぼーっとしていたソーマには見えていた。

「んー…でも信じられないなぁー。レオン料理出来る節」
「なんだとコラ!?」
「目の前でレオンが作ってくれて…尚且つ食べさしてくれるなら信じられるかも?」
「上等だ!飯作れなくてアラガミが倒せるかってんだ!」

見事にコウタの奸計に嵌められ叫ぶレオンに、ソーマはあほだろと呟いた。



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