クレイジーイーター | ナノ




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先に飛び降りた三人は、ゆっくりとオウガテイルの群れに近づいていた。途中、後から着たであろうファイと合流し、瓦礫を食んでいるオウガテイルを見つめる。

「じゃあ俺とソーマが・・・!?」

リンドウが指示をしようとした瞬間だった。ファイが急に飛び出し、オウガテイルの群れの前に躍り出る。もちろんオウガテイルがそれに気づかないはずもなく、新しい餌に舌鼓を打っているようにも見えた。

「っあの馬鹿!」

コウタが神器を構え、ソーマとリンドウが両脇から援護しようと動いた。しかし、三人の神器が使われることはなかった。

「っあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ファイが吼えた。いやもうすでに吼えるという表現より雄叫ぶという表現の方があっている。それを合図に一体のオウガテイルがファイに飛び掛った。
ファイはロングソードをまっすぐに突きつけ飛んできたオウガテイルを串刺しにし、たたきつける。刃を下にしたため、腹から左半分が見事に割れ、鮮血が大地に染みを作る。それでもなお動き続けるオウガテイルの頭を問答無用で叩き割り完全に息の根を止めたファイは残りの四体を睨み付ける。
どうやらオウガテイルの方もファイのことを餌から敵だと認識したらしい。今度は一体だけで飛び掛ってくるという愚行はしなかった。
まず二体がファイめがけて挟み撃ちする要領で回り込み飛び掛る体制に入った。しかしその足が地面から離れる前に一体は自分の視界が左右ずれるのを感じてから意識をブラックアウトさせる。ファイが頭を縦に切り裂いたからだ。もう一体は飛び掛って来たが、危なげなく回避。そのまま尋常ではない速さで腹の下にもぐりこんだファイはアサルトの銃口をオウガテイルの腹に突きつけ問答無用で打ちまくった。
打って、打って打って打って、打ち続け、オウガテイルの原型がなくなるまで引き金を引いていた。




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