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気にしていた自分が馬鹿らしくなってくるくらい軽く言ってのけたミカドに、アリサは頭に血が上るのを自覚した。
「っぱっくりって・・・人の死に方をそんなに簡単に言わないでください!」
「へ?」
突然起こられたミカドはあっけにとられたがアリサの口が止まらないのを見て、自分の口をふさぐ。どうやらアリサの言葉を聴くつもりらしい。
「アラガミから見たら、それこそ客観的に見たらぱっくり、という表現は適切でしょうけど私たち人間にとってかげがえのない人の死なんです!どうしてそんな軽々しい言葉で表現できるんですか!?」
「・・・」
「辛くないんですか!」
はーっ、はーっ、と息を切らせているアリサをしばらく眺め、ミカドは笑った。
先ほどの、へらへらした胡散臭い道化師の笑いではなく。ほんの少し泣きそうな笑顔で。
「・・・アリサさんは、やさしいですね」
「っそんなことは・・・」
「大丈夫、もう乗り越えましたから」
ごめんなさい、軽く言い過ぎましたと笑うミカドに、やさしいのはそっちだ、とアリサはののしりたくなった。
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