クレイジーイーター | ナノ




7

自分の体の下にしたロングブレードの切っ先をヴァジュラの脳天めがけて突き出す。直撃とは行かないものの、ヴァジュラの右顔半分にざっくりと刃が貫通する。
ファイを振り落とそうと暴れるヴァジュラの左後ろ足をレオンが猛襲する。
相当の重量があるはずのバスターブレードのはずが、彼の生来持つ怪力にあわせ因子に強化された身体によって片手だけで軽々と振りまわされる。
そして、レオンの怒涛の剣舞が繰り広がる。

まるで野獣のような雄たけびを再度あげ、レオンはこれでもかという勢いでバスターブレードをたたきつける。後ろ足からの激痛にヴァジュラは思わずのけぞる。その反動で神機が抜け宙に放り出されたファイは剣から銃へ構え、その顔面に容赦なく弾丸を叩き込む。
それでも振り上げた前足が地に付くことはなく、ファイを狙う。と、突然その前足に鬼のような連射を見た。何のためらいもなく、結合崩壊の起きた新しい弱点を容赦なくついてくれたのはミカドだった。
スナイパーという連射より狙撃に重点を置いた形状にもかかわらずミカドは巧みかつ迅速に装填と狙撃を繰り返し、強引な連射をやってのけたのだ。

ファイは無言でミカドが身を潜めているだろう方向を見やり、レオンはひゅうと口笛を吹いた。
そして、比較的安全なところではソーマは目を見張っていた。

レオンの豪力は何度か同じミッションに行っているので知っていた。だが、まさかあそこまで軽々と振り回すとは思っていなかった。
ミカドにしても強引とは言え正確な速狙撃を見せつけた。かつ携帯端末を繋ぎっぱなしにし二人に指示を送る案も、指示を送るタイミングも内容もかなりいい。
そしてファイも、あんな自己暗示のようなものがなくてもヴァジュラ相手に遣り合っているではないか。ミカドの言う「踊る」という表現がしっくりくるほど、華やかに。
個々の能力自体は非常に高い。後ソーマが見るべき点は三人の連携だった。連携なのだが・・・



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