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その言葉に疑問符を浮かべたのはソーマで、そんなソーマをまあまあとレオンがなだめすかす。なんだか自分が保険としてきてやっているのに省けにされたのが非常に気に食わないといわんばかりにソーマは舌打ちした。
ミカドはそんなソーマにわずかではあるけれど油を注いだ。当然、先ほどの尋問の意趣返しだ。
「ああソーマ君は監督として付いて来てくれてるから知らなくてもいいよ」
「・・・勝手にしろ」
俺は知らんからなといって去っていくソーマにミカドはごめんとつぶやく。知らないといいながら最終的には助けに来てくれるだろうソーマを計算に入れていないはずないだろと心の中で嘲って。
少し気分が晴れたミカドは 笑って言った。
「じゃあ少しばかりステージでも開こうか。客はつまらない猫だけど」
そのミカドを、ファイは無感動に眺めた後、足首をぶらぶらと振った。
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