クレイジーイーター | ナノ




3

ファイを抱えたままソーマはミカドの隣に立つ。そしてファイを落とすと(比喩ではなく、本当に落とした)じろりとミカドを睥睨する。

「で、どうするつもりだ」
「・・・っ一旦退却して、対策を練ります」
「どこへだ」
「え?」
「どこへ退却するつもりだ」

尋問に等しいソーマの圧力にミカドは押し黙る。確かに、このただっ広い草原に隠れる場所も身を隠す場所もない。
目を泳がせたのは、コンマ数秒。

「・・・ねえライオン君」
「は?それ俺のことか?ぶっ飛ばすぞてめえ」
「生き残ってからにしてくれる?この単細胞」
「決めた今殺す」

そういって本気で神機を構えたレオンに苛立ちを覚えながらもミカドは先ほどソーマが走ってきた方向を見る。
完全に見失ったと思ったのかヴァジュラはそのあたりの廃材に手を出していた。がきがきと人間から見たらとてもおいしそうには聞えない食事の音が響いている。
さっきから勝手に出て行こうとしているファイの首根っこをつかみながら、ミカドはレオンの首の辺りを見た。顔を見てしまうと間違いなくこの男の脳天に放射系バレッドをぶっ放してしまいそうだったからだ。

「本当は地球がノヴァに食われたっていいたかないけど生憎俺も生きたいんで仕方なく言ってあげる。黙って力を貸せ」



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