14
「わたしは、めのいろかわるよ?」
暫く沈黙していたファイがぽそりと口を開く。
「かみのけ、あかいし」
「・・・ああ」
「めだって、みどりいろできもちわるいよ」
「・・・」
「おばけみたいって」
「だからどうした」
ファイのあげた自分のコンプレックスを全部否定してソーマは思い切り抱きしめる。
リンドウの真似事ではあるけれど、間違いなく自分はこれで救われた。
あとは、ファイが吐き出してしまえばいいのだ。
「もう、泣いて喚いても誰も怒らねえよ。お前は十分がんばったから」
だからもう泣いちまえとソーマはファイの頭を自分の胸に押し付ける。暫くして小さく響いた嗚咽に柄にもなくソーマはほっとして、コウタもまた胸をなでおろしたのだ。
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