クレイジーイーター | ナノ




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うぃーん、といつもの機会音を聞きながらリンドウは大きな欠伸を一つこぼす。
それもそうだ、ヴァジュラ5体も倒した次の日朝早くたたき起こされたのだ、欠伸の一つでもしなければやっていけやしない。

(全く…我等が支部長は何を考えているのやら)

あの、冷静とも冷酷とも取れる目は正直好きにはなれない。
リンドウは今から上司に会いにいくと言うのに、煙草を一つくわえ、火を付ける。

(…ま、今は用事が先だな)

そう思った矢先、エレベーターの扉が開く。廊下の突き当たりにあるドアを遠慮無しに開けて、リンドウは固まった。

そこに支部長は居らず、代わりに榊博士が困った顔をしながら笑っていた。

「やあリンドウ君!待ちくたびれたよ!」

確かに待ちくたびれた上疲れたわなと、リンドウは苦笑いした。

ぎゃあぎゃあと騒ぎ散らす人間を眺めながら。




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