双神二重曲奏 | ナノ



4

立ちすくむフリーズに、邪神はその悍ましい、しかし優しくフリーズに囁く。

『コウナッタノハ誰ノセイダロウナァ?嗚呼ソウサ、オ前のセイサ。オ前ガ余計ナ事ヲシナケレバ、ア奴等モ傷付ク事モ無カッタノニナァ?』
「…っ」
『…ソウダ、取引ヲシヨウカ亜人ノ男。我ハコヤツ等を救ウテヤルゾ?』
「な、に…!?」
『ソノ代ワリ男、オ前ノ魂ヲ頂コウ。オ前ノ魂ハ汚レ無ク純粋ダ。何トイト美シイ。…我ノ魂人形ニ成ルノナラ、アレ等ハ助ケテヤルゾ?』

自分が逝けば、三人は助かる?
ふらりと邪神の方に歩を進める。




『ソウダ…コッチニオイデ…』




その言葉が甘美な響きを持って、フリーズの鼓膜に届く。

数歩進んで止まったフリーズに、魔物が今か今かと待構える。

『捕ラエタ――――――』

邪神がついとフリーズに向かって手を出す。それと同時に魔物達がフリーズに飛び掛かった。



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