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(キツいな…)
先程からずっと魔法を放ち、剣を振り続けているフリーズは、最初よりはましなったものの、一向に減らない魔物の軍勢に辟易していた。
(いやまだだ…!倒すまではいい、せめて追い返す位まで持ってかないと…!)
近くにいた魔物を斬り伏せる。それが合図になった様に魔物達が不協和音で吠え始めた。
「うあ…っ!?」
鼓膜にダメージを受けたのはフリーズだけじゃない。
ザビィもウルガもローランも、闘っていた全ての者達が立ち上がる事さえ叶わなくなっていた。
「なんだ…これ…っ!?」
耳を塞ぎながら前方を見たフリーズは、信じられないものを見た。
それは魔物に称えられる様に空に存在する邪神の姿だった。
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