3
「ローランさんっ!!」
フリーズ・ザビィ・ウルガが駆け付ける。
その姿を確認したローランは向き直り頭を下げた。
「すまない、君達まで巻込んでしまった」
「気にしないでください。こっちもファイを助ける為に手をお借りしました。…私達も手伝います」
「しかし…《金色の虎》の手を借りる訳には…!」
「俺も反対、こいつがどうなろうが…」
「うるっさい!!!」
始まった両者の言い合いを怒鳴って強引に終わらせて、フリーズが凄い剣幕でまくし立てる。
「時と状況を考えろ!!争ってる時間があるか!?それとも無いのを分かっててわざとしてるのか!?」
「それは…」
「だったらこう考えろ、ここにはファイがいる。俺達はあくまでファイを守る為に闘う。ローランさんたちは、それに便乗すれば良い」
「…あくまで利用し合うだけと?」
「そう言わなきゃあんたらは変な意地はって犬死するだけだ」
そう言い捨てフリーズは臨戦体制に入る。
その後ろ姿をローランとザビィは唖然と見送り、更にその後ろにいたウルガはこっそり思った。
(神父の癖にえげつねえな…アイツ)
ウルガは知らない。
ザビィにこそ勝てないが、幼少の頃からフリーズは喧嘩・口喧嘩でほぼ無敗だったことを。
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