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「フリーズ、ザビィっ!!!」
血相を代えて飛び込んできたウルガにザビィとフリーズは慌てて涙を拭う。
「どうしたの、そんなに慌てて…」
とにかく恐慌状態のウルガを宥めようとしたフリーズに、次のウルガの一言で脳
天に一撃食らった様な衝撃が走った。
「…っ低級神だけど邪神が、魔物大量に引連れて攻めて来やがった!!!」
「大砲部隊、打てぇぇぇぇ!!!」
ローランの咆哮の様な命令と同時に幾多の弾が打ち出される。
しかし打ち倒せたのは僅か数体で大群に致命的なダメージは与えられていない。
「ろ、ローラン殿…もう弾がありません…!」
部下の一人が青ざめた顔で報告する。
青ざめてしまいたいのはローランの方だ。
しかしここで攻撃を止めて終えば間違なく終りだろう。
「っ…弾の限り打ち続けろ」
「しかし!」
「何もしないよりましだ!!…どうせ死ぬのなら、最後迄抗え」
最後の一言に勇気付けられた騎士は、潔く敬礼した。
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