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ローランがシャルの未発達の肩を掴み、食って掛かる。その剣呑な表情にシャル
はすくみ上がってしまった。
そんなローランをフリーズはなだめる様に止めて、極力優しくシャルに聞いた。
「それはどう言う感じだったのかな?」
フリーズのいつもの聞き方に幾分ホッとしたのかシャルは話出す。
「…僕、二月位前にファイに助けてもらって…弟子にして貰いました。
その時のファイは闘った後だったらしくて魔力が少し流れ出てたんです。
それが魔力…って言うより神力に感じが似てて、僕女神様と間違えちゃったんです」
フリーズはそうか、ありがとうとシャルに言って立ち上がる。
「…予測じゃ何もできない。取り敢えず楽園【エデン】の教会行って洗いざらい
調べないと」
「…ちょいと待て、フリーズ、ファイアースティレットがファイち
ゃんと何の関係があるんだよ」
「…ファイの左手見て…っ!?」
フリーズばぎょっとした。ファイの左腕全体が、真っ黒に染まっていた。
「…まずい…このままじゃファイが消える!!とにかく楽園【エデン】に連れて行
ってくれ!!」
ローランが馬を駆る。その後ろでフリーズは後悔した。
こんなことなら 離れなきゃよかったと。
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