双神二重曲奏 | ナノ



12

「ここで大人しくしてな」

そう言われ奴らのアジトであろう場所の牢に放り込まれてどのくらいの時間がたったのか。ザビィは何度目かの自問自答を繰り返す。その体は抵抗した為に傷付き、痣ややや大きめの切り傷が出来ていた。口にはご丁寧に布が巻かれ手足の自由は鎖で奪われている。その向い側には意識の戻らないフリーズとシャルが同じ状態で倒れていた。

(・・・もう、ちょい・・・)

しかしやられたらやられっぱなしのザビィではない。武器や隠し道具等は奪われたが辛うじて見つからなかった針金で手錠を外そうとしていた。

(伊達に暗殺者やってねっての・・・!?)

こちらに近寄ってくる足音に気が付いてザビィは腰布に針金を隠す。こつこつと、不気味に近寄ってくる足音にザビィは何も出来ないのにと頭のどこかで自分を軽蔑しながらも身構える。
やがて自分達の前に現れた人物に目を見張る事になろうとは。

「・・・」
「ん・・・!?」




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