双神二重曲奏 | ナノ



1

絶望と恐怖と憎悪と殺意で人は自分を構成する。



「はっ!!だぁっ!!」
「踏み込みが甘い。あと突っ走りすぎだ」


シャルが2本の長い棒切れをファイ相手に振り下ろす。
対するファイは丸腰で只ふらふらとシャルの攻撃を避ける。
足元にシャルの足払いが入ったが難なく回避。
軽く飛び上がった状態からシャルを蹴り飛ばす。

「うわぁ!!」

そんな悲鳴と共にシャルが豪快に吹っ飛び茂みに突っ込む。
それを見たフリーズが慌ててシャルに近寄り回復魔法を施す。
施しながらファイに(とっては)小難しい小言を言い散らかす。
言われている当人はばつが悪そうに頭をかく。
其のそばではなんともいえない空気が漂っていた。

「「・・・」」

黄緑色の眼と橙色の眼が非常に不機嫌そうに眉間に皺を寄せていた。
一触即発のこの状態で何も起きないのはファイに小言を言いながらもしっかりと2人を監視しているフリーズの存在があるからだろう。

「「…………………………………………」」

お互いの眉間の皺が一本、又一本と増えていき、そして。

「「あぁもう我慢できるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

ザビィとウルガの忍耐力が爆発した。したのだが。

「喧嘩は駄目だって言ったでしょう!!」
「うるせぇ!!」

フリーズの鉄拳とファイの回し蹴りが炸裂、2人とも沈黙した。
何でこんな状況になっているかって?それは遡れば・・・うん、面倒くさいんですが・・・




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