13
「はっ、お前の女神様とやらはとんでもなく目つきが悪いんだな。さぞかし人相の悪い・・・」
「いえ・・・顔じゃなくて・・・雰囲気が」
「・・・ハイ?」
「貴方の纏う雰囲気が・・・僕が仕える女神様にそっくりなんです」
「・・・お前」
「?」
「頭打ったのか?」
「な・・・!?失礼な!!」
ファイの頭打ったのか発言にさすがの天使も頭にきたらしく、勢い良く起き上がったが
節々が痛むらしくいたた・・・と体を丸めてしまった。
ファイは躊躇うことなく川から出るとそのまま天使の体を支えるように肩を掴む。
「大丈夫か、痛むところは?」
「っ・・・関節と・・・腰が・・・」
「・・・派手に犯られてたからな」
「ッ・・・あれは、夢じゃ・・・なかったんですね・・・僕の、羽も」
「ああ、そうだな。綺麗に引っこ抜かれてたよ」
「・・・そう、ですよね・・・・・・」
天使は黙り込んでしまった。ファイも黙り込んでしまった。
事実なのだから濁していう必要は何処にも無い。
しかしもう少しオブラートに包んで言った方が良かったのか。
今様そんなことを考えるファイと違い、天使は笑って言ったのだ。
「はっきり言ってくれて、ありがとうございます」
「え・・・」
「貴方が僕の事を思って真実を告げてくれなければ、僕はきっと不安で潰れてたのかもしれません」
「・・・そうか」
「ええ。だから、ありがとう」
にっこり笑う天使を見てファイは頼むからそんな目で俺を見るなと思うくらい困ったらしい。
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