6
「・・・ここか」
ファイが匂いの元を辿ってついた場所は、砦から少し離れた所にある、小さな森の少し開けた場所だった。
しかし其処には何もなく薄暗い空間がぽっかり開いているだけだ。
「匂い・・・ここからするんだけどな・・・」
ファイがきょろきょろと辺りを見回す。すると地面の一角の土が少し盛り上がっている箇所があった。
ほんの少し掘り返してみると其処の土だけが軟らかく簡単に掘り返せた。
もう少し掘ると硬いものに手が当たり、鉄の扉が見え匂いは其処から漂っていた。
「・・・これは」
ファイは其処をすべて掘り返し鉄の取っ手に手を掛けた。
扉を開けてすぐに階段になっていた為、ファイは其処に身を滑り込ませる。
そして意味は無いかと思いつつ扉を閉める。かすかにあった光さえ遮断され、辺りは暗闇に包まれる。
ファイは自分の掌から小さい炎を灯し、それを明かりに階段を下りていった。
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