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其の後無様に謝り倒してようやく部屋に入れてもらったザビィは本題に入った。
「さて。ビジネスのお話なんだけどね」
「断る」
即答、0,1秒も掛かって無い気がする。
「まだなんも言って無いじゃないのさ!!最後まで聞けよ!!」
「どうせろくなものじゃないだろ」
「大丈夫!!今回は前より大分ましだから」
胸を張ってそう答えるザビィを、ファイはそれはもう胡散臭いものを見るように見下す。
「・・・なんだよ其の目は」
「疑り深いついでに見下しておくか的な視線攻撃」
「やめて精神参っちゃう」
「お前に限ってそれは無い」
「・・・相変わらず辛辣な毒舌ありがとう」
「うむ、苦しゅうない」
「うわ便乗されちゃったよ」
何気にノって来るファイにザビィは溜め息を漏らす。
このまま不毛なやり合いをしていても埒が明かないため、まあいいかと話を戻した。
「今回は潜入捜査。最近楽園【エデン】の天使の子とか亜人の子、小妖精が消えてるんだって」
「?それ楽園【エデン】の管轄だろ?」
「ところがどっこい最近の情報によると混沌【カオス】の連中が子供を連れていたって。家んとこの諜報係が」
「何でまた」
「売る気でしょう、それ以外は犯し殺す為とか考えられるけど」
「・・・物好きな」
ファイは眉間に皺をを寄せて唸った。
余談だが目つきの悪いファイが眉間に皺を寄せると更に人相が悪くなる。
それだけで人が殺せそうだ、とザビィは何度か思ったらしい。
今はそうも思わないらしいが。
「まあ、いくつかの組織が候補に出てるから、
ファイちゃんにはその内の一つに当たって貰おうかと思って」
「・・・断「今日の宿代と明日のご飯代払ってあげるから。もちろんプラス報酬で」
「任せろ」
扱いやすいなと、ザビィは思った。
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