双神二重曲奏 | ナノ



5

ザビィのそんな一言でファイは正面から、ザビィは裏から突っ切っていったのが1時間ほど前の話。
ファイは息一つ乱さず目の前の男を屠る。
全身血塗れだが、もちろん返り血だけでファイ自身は無傷だったりするわけだが。

「テメエどっから入りやがった!!?」
「どっからって正面から堂々と」
「馬鹿な!!正面は100人体制で警備していたはずだ!!」
「あー100人もいたのか。俺はてっきり30人くらいかと」

そんな会話をしながらもどんどん男達を切り刻んでいく。
あんまり多いときは魔術を放ち、剣で対応できないときは素手で頭を叩き潰す。
最早化け物じみた戦闘スタイルを見せるファイに雇われた混沌の連中も戦意を喪失していく。
殆どの奴がファイの姿を見るなり逃げ出していく。

「・・・詰まらん」

逃げられてばかりのファイは非常に退屈していた。

(今逃げた奴ら全員ザビィのとこ行ったのか?)

そうなって困るのはザビィだけなので如何でもいいかとファイは考えているが、
ザビィがいなければ今回の仕事の報酬はなしになるということを完全に失念している。


[ 13/164 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -