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コイツと逢ったのは、確か獲物の取り合いだったなとぼんやり考えていた。
あの時は確か俺は山賊を気晴らしにぶつ切りにしててこいつは楽園の飼い主にこずかいもらってで、その後なぜかザビィが俺に仕事を持ってくるようになったんだっけか。
本人曰く一人で3つも4つもやってられないらしい。
思考の海に沈んだファイの意識はザビィの声によって引き上げられた。
「ここだよ本日のお仕事現場」
「・・・結構な規模だな」
「でしょー。人数約420人と言う中途半端な数に加え組織的にも力がありなお未確認生物までいるとっても素敵な組織様であります」
「面倒臭いな。魔弾ぶっ放してやろうか」
ファイが掌に魔力を込めだす。
黒い発光体が見る見る大きくなっていくがザビィが慌てて其れを止めた。
「あああああやめてやめて!!証拠のヤクもって帰んないと報酬なしになっちゃうっっ!!」
「・・・本当に面倒臭い」
ファイはしぶしぶ魔力を消滅させる。
有限実行はいいことだけどそんな物騒なこと実行しなくていいからとザビィが突っ込むがそれを横目で黙殺した。
「まあ、楽園のお偉いさんも絡んでんだもん。嫌でも面倒ごとになっちゃうでしょ」
「・・・証拠のヤクついでにそいつの首も持ってくか?」
「あら物騒。いいよいいよ、もって帰るまでに腐りそう」
「確かに。それで今日の段取りは?」
「二人で暴れて大壊滅。ま、一人は目立ってもう一人は影からこっそりと」
「・・・どうせ影からこっそりはお前だろ」
「ご名答、だって俺ファイちゃん見たく体力馬鹿じゃないし、
いくらファイちゃんが暗殺の筋がいいってったって俺っちのが暗殺者として出来るし」
適役だしょ?とウインクまでしてみせるザビィに面倒臭いとため息を返すファイだった。
「じゃあ又後でここで合流な」
「・・・分かった」
「しくじっちゃいやよー後始末俺がすんだから」
「こっちの台詞だ、後始末なんぞしてやらんがな」
「あら冷たい。じゃ、後でねん」
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