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滑稽滑稽、嗚呼滑稽!
自分の存在意義とも言うべき事と真逆の夢をみるなんて!!!!
本当に、とフリーズは笑いを噛み殺しながら内心首を傾げ自問自答していた。
眼前で揺れる赤と苛立ち100%の仏頂面を眺めながら、そして背後で笑ってるだろう二人の男の声を聞きながら、フリーズは自問自答を繰り返す。
「………………なんでこんなにドジっ子なんだろうね」
しかし質問をうっかり声に出してしまい目の前の仏頂面が目をかっ開いたときにまずいと思ったのは遅すぎた。
「黙れ守銭奴!!」
「ぐはっ!」
罠にかかり宙づりにされているにも関わらず普段ザビィをぶん殴るのと変わらぬ威力を発揮したストレートにフリーズが地に臥せる。
二人分の笑い声が一際大きくなったが、次の瞬間には悲鳴に代わっていた。
「死ね!マジで今すぐ死んどけ!」
そんな、ファイの羞恥と怒りの篭った咆哮と共に。
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