双神二重曲奏 | ナノ



3

「あ!!さてはファイ子ったら俺から受けた恩恵をスルーするつもりだったな!?」
「・・・すまん、其処の奴。豚の丸焼きと野菜スープ、フルーツサラダ各二人前追加。代金はこいつ持ちだから」
「んなっ!!?なんつう追い討ちを!!ちうか勝手に人持ちにすんなよ!!」
「何だ、俺に奢ってくれるために逢いに来たんだろ?」
「あーうんそだよー・・・って違うわ!!ビジネス!!お仕事の話!!」
「俺はお前に雇われて無い」
「飯代払わんぞ」
「どんな仕事だ」
「切り替え早!!」

ファイの精神的フットワークの軽さにザビィは律儀に突っ込む。
まあ、初対面のときもこんなノリだったかと諦め本題に入る。

「東第一楽園で、混沌の連中が腐ったお偉いさんとヤクの商売してるらしい。其の討伐だよ。今回は」
「・・・前もそうじゃなかったか?」
「よいでは無いかよいでは無いか。君殺し好きだしょ?」
「・・・好きでもねえ」

何とか言っている内に料理が到着する。
ファイは豚の丸焼きから左足を引きちぎり口に運ぶ。
ザビィも何気に右足を咀嚼している。

「なんかさー奇妙な生き物さんもいらっしゃるらしいよん。これが超激強」
「なんか単語の意味がダブってるぞ」
「気にしなしゃんな。まあ普通の人間じゃ歯どころか爪すら立てらんないって話」
「ふーん・・・」
「どうする自称化け物さん?共食いになっちゃうけど」

ザビィが暗く笑って挑発する。
普段どんなにおちゃらけていても矢張り同業者なんだなとファイが思うのはこういうときだ。
ファイは同業のよしみついでに飯代と高い報酬をせびる為に其の挑発に乗った。

「共食い?上等だ、普通の飯は食い飽きてたんだよ」



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