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『過保護だな』
ウルガの従神を横目で見た雷帝はそんな感想を漏らし、闇帝が上品に笑う。
『よろしいではありませんの。主想いなことは』
『我らの主はしっかりしすぎていて心配すらさせてくれないというのに』
光帝がやれやれというように両腕にあたるパーツを上に向ける。
と、そんな三体にザビィとフリーズの怒鳴り声が響いた。
「アルカてめえ無駄口叩いてんな!!切羽詰ってんだよこっちは!!!」
「二人ももうちょっと頑張ってよ!!話し相手になら後でなってあげるから!!!」
よそ見していた視界を向けると二人の主はサタンからの重力の塊を必死によけていた。あちこち凹んでいる。
『あらあら、珍しい』
闇帝がまったりとした口調でそう呟く。其の間に光帝はフリーズと重力の塊の間に立ち、弾き返していた。
『闇よ、少しは働いてやれ』
『そうですわね、ごめんなさい』
矢張り間伸びた口調で闇帝は光帝に続き、雷帝もまたザビィと大立ち回りを演じた。
しかし
「っ舐めるな屑共があああああああああああああああああああああああああああああ!!」
従神とフリーズたちに翻弄されていたサタンが怒り心頭と言った体で目を見開く。其の途端倍にまで膨れ上がった邪気はフリーズたちの足を止めた。
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