双神二重曲奏 | ナノ



6

「その神器は今天界に座します、神王陛下がお持ちです」
「そ・・・いつらは・・・」
「彼らはいたって普通・・・というのもおかしい話ですが、鬼神竜に鳳凰神であられます」
「その、『忘却するもの』・『記憶するもの』ってのはどういう意味なんだ?」
「セイレーンは記憶と生を喰らい、グライアンドは忘却と死を喰らい力を増す神器です。相反する二つの神器を生み出した彼女こそが世界の真理と言われています」

そこで、エイルカリアは一端口を閉ざす。ファイは軽く動揺しながらも怪訝そうに顔色を伺う。
エイルカリアは、非常に複雑な、其の中でも極端に戸惑いの表情を出していた。

「エイル・・・?」
「ファイ・・・此処からは貴女の事です」
「!」

覗き込んだ途端に、エイルカリアは銀色の目をファイに向けた。先程までとは違う問いかけるような目にファイは一瞬たじろいたが、押されるわけにも行かず、首を立てにふる。

「もう今更何聞いてもおどろかねえよ」
「そう、ですか・・・落ち着いて聴いてください」



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