3
ウルガの所属していた山賊をザビィと二人で壊滅させた時だった。いきなりフリーズ達の方に寝返り頭領を射殺しそのまま転がり込んだのだ。当初は疑った。
ザビィは寝首を掻こうとしていたし、フリーズも警戒を緩めなかった。
『あいつ等に、姉貴を殺された』
ぽつりとそう言ったのは何時だったか。確かザビィが暗殺業で別行動をとっていた時だった。
『…これだけ言っとく。あんた等が来てくれてよかった』
そのときは何のことか分からなかった。今思えば、彼は山賊達を葬る為に彼等に紛れ、期を伺っていたのではないかと。
命を賭して 姉への弔いの為
「…俺も、君がいてくれてよかったよ」
深緑の髪を撫でてそう呟く。思い出せば何度も彼に助けられていて。感謝と同時に感じたのは劣等感。
「…弱いなぁ…俺は」
ひっそりと、吐息の様に呟いた。
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