6
『ッコノ――――』
「ファイーー!!!」
甲高い子どもの声がして、ファイが振り向く。
後ろにいた魔物を双剣が斬り飛ばす。
「シャル!」
「よかった、目が覚めたんですね!」
「お陰様でな、でも感動の再開はさせて貰え無い様だ」
「ええ、だから早く終わらせてしまいましょう」
シャルらしかぬ台詞にファイは首を傾げる。と黒い魔物に白い何かがぶつかった
。
「な…」
「僕の女神さまの近衛隊です」
それはユニコーンやペガサス、シャルと同じ様な天使達の軍隊だった。白が瞬く間に黒を制圧していく。
「正直僕では戦力にならない、だから彼らをお借りしたんです」
「…いいや、お前は立派な戦力だ。先ずはローラン達を回復してやってくれ。俺に出来たのはあいつらの怪我の進行を止めるだけだった…治癒できるフリーズは今前線に出て貰ってる。あいつら治ったらお前も参戦してくれるな?」
「…はい、その為に此所に来たんです!!」
シャルは元気良くそう言うとローランたちのいる結界の方へ行く。それを見送ったファイは再びフリーズに寄り添う様に舞う。
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