小説 | ナノ


「あれ、西谷くん」

「……ちわス」

「潔子ならいないけど」

「……そスか」

「そんなあからさまに残念そうな顔しないでよ」

「潔子さんに会えなくてアンタに会って残念そうにする以外どうしたらいいのかわかんねーんですけど」

「先輩にそういうこと言うんだーあふぅーん」

「…アンタなんで潔子さんの友達なんだよ…ですか」

「西谷くんだってなんで潔子に恋なんかしちゃってんの。潔子は美人だし、まあちょっと厳しいとこもあるけどそれも含めた優しさなんかマリアじゃね?とか思うね。当然だけど勉強もできて運動もできる才色兼備ってやつ。自慢の友達だけどてめーになんかやんねーよ。まあお前の身長が伸びるくらいありえねーけどもし、もしもね、潔子がお前を選んでも絶対邪魔してやる。つーか自分と潔子が釣り合うとか思ってる?思ってないよね?ありえないもんね?まずその身長じゃぁねぇー」

「……帰る」

「あれ?西谷くん怒っちゃった?怒っちゃったの?大丈夫大丈夫!その身長でも素敵な恋はできるしいい相手も見つかるよ!その相手は潔子じゃないけどね!あ、ほら、今度小さい男の子と大きい女の子の恋愛漫画貸してあげるよ。ラブコン。映画もやったよね懐かしいね〜」

「はったおすぞ!!!!」

「あっ潔子!」

「えっ」

「面談どうだったぁ?たった30分でも潔子に会えなくて名前すぅんごく寂しかったぁ〜あ、この新発売のミックスベリーのブランチュールめちゃ美味いよ食べて食べてあー潔子の隣はたまらんなー癒されるー」

(なんなんだこの女は・・・)


20120713