小説 | ナノ


「じゃじゃん」
「どうしたあほめ」
「やだんクロロ傷つくわー」

クロロの弱点であるデコっぱちを連打。←→←→+KKK。鳳扇華!←→←→+KKK。鳳扇華!アーマーブレイク属性有のウルトラコンボあるヨ。
イルミはまるで私たちを空気の如く扱い期間限定のポッキーを召し上がっている。めげん。めげんぞ私は。

「みてこれ前髪ウィッグ」
「ウィッグぅ?」
「どうしたのそれ」
「ドンキで980円」

私はふぁっさふぁっさとドンキで購入した格安前髪ウィッグをなびかせる。あれみたいだな。バブルのときの、えーと、なんだっけ。ディスコの。

「それ名前の髪色に合わなくない?いいのそんな真っ黒で?ツートン?いまどき?」
「ちがうちがう。これイルミに」
「俺に?」
「イルミさーずっとセンター分けかオールバックじゃん。前髪あるとこみたいにゃん」
「きもいにゃん」
「無表情でノってくれるイルミにゃんが好きだ」
「消えろ」

(顔面を)握られた、結構デカいな、イルミの手。名前心の俳句。
メリメリいってる。顔の皮膚や骨が悲鳴をあげている。うぐぐ。こきゅ、呼吸ができん。鼻も口もふさがれたのでやむなしイルミの手を避けるためにベロリと舐めてやった。

「うっわきたなクズに手を舐められた」

手の甲でガツーンと殴られた。痛え。
私が舐めた手をクロロのシャツに擦りつけるイルミ。おぼえてろよ。あと嫌がってるクロロ。てめーの靴にまたミミズぎゅうぎゅうに詰めてやんよ。

「おら。イルミにゃんよ、前髪ウィッグ付けてみろよおらおら」
「名前ほんとに怒るよ」
「ごめんねイルミ」

イルミの目が弧を描いたのでこれはやばいと思って前髪ウィッグはクロロにあげた。あいつも黒髪だし。

「パッツンだけど活用してね。あと付けたら写メで送ってね。じゃあね。私とイルミはフレッシュネス寄って帰るから」

クロロちょっと泣いてた。


20120703