小説 | ナノ



チィン!

「おや。もう着いたみたいだね」

「え、どこに?」

まだステーキ残ってるんだけど。
ウィイン、と重くスライドされる扉。そこは洞窟のようにできていて中にはざっと見て50人ほどが目をギラつかせていた。「ハンター試験会場」ヒソカさんが笑う。うむ。どうやら私が思っていたよりハンター試験というものは生ぬるくないみたい。

「そんなことないよ。ハンター試験なんて、生ぬるい」

くくく。
おい、なんで私の心が読めるんだテメ。それにしても。定食屋の下に試験会場があるなんてねえ、多分メニューも焼き方もあの通り答えないといけないんでしょう。よく出来てるなあ。こりゃ絶対わからないわ。

「番号札です」

受験番号44。

「ヒソカさんにはなかなか似合ういい番号ねえ」

「そうだね」

「番号札です」

受験番号45。私の手に押し付けられるそれ。

「いや、すみません。私はハンター試験の申し込みもしてないし、見学だけでいいんですけど、もしかして見学とかそういうのありません?」

不安になる私に丸顔のハゲはとんでもないことを言ってのけた。

「いえ。申し込みなされてますよ。名前様ですね。たしかに、こちらで把握させて頂いております」


(神様どういうことですか)


20110914