小説 | ナノ


トリップしたら念能力が最初から身についてるとか身体能力が超パワーアップしているとか、そんなチート能力がこの身に宿っていたりするのでは?と思い踏ん張ってみたがなにも発動しなかった。

「名前何してんの?うんこ?」
「違います」

発動しなかった上にシャルナークさんにバカにされた。しかしながらまあ、ハンターハンターを読んだ記憶があるというのはなかなかチートな能力なのではないのでしょうか。
あの衝撃的な旅団メンバーとの対面のあと、私は無事に解放された。しかし解放されたがどこにも行くあてがないので旅団のアジトにおこがましくも居座らせてもらうことにした。

「すみません、団長さん。団員ナンバー4番の方が見当たらないのですが、どちらに」
「今4番は欠番だ」

ウヴォーギンさんとパクノダさんがいたからおかしいなあ、時系列的にはどこなんだろうと思っていたが、4番が欠番ということはヒソカが旅団に入る前ってことか。

「私を4番にあててくれませんかね」
「お前、本物の馬鹿だな」

いらっとしたが私は大人なのでさらっと流して「団長さん今おいくつですか?」と尋ねれば「そういうことはわからないのか」と返ってきた。そういうことは分からないのよ。パクノダさんみたいに人の気持ちや記憶が読めるわけじゃないから。原作を読んでるから本編の流れくらいしかわからないのよ、っていうのは言わなくてもいいか。確か原作ではクロロさんは26でしたっけどうでしたっけ。

「見たところ25歳くらいでしょうか」
「24だ」
「ははーん、なるほど。じゃあ2年です。2年後、私は貴方達のキーマンになれる自信があります。そばに置いておく価値はあると思いますよ」

これは本当のことなので自信満々に言えば、みんな可笑しなものを見るような目で見る。笑っているやつらもいる。

「2年後はすごいですよ。大きな変動が訪れる年です。私はそれを防ぐことができるかもしれません、っていうのはまあ口実ですけど、いや、本当に起こると思うんですけどぶっちゃけ行くあてがないので私の面倒を見て欲しいんです、パジャマだし」
「イヤに決まってるだろ」
「じゃあこの中で誰が一番最初に死ぬかを教えますから」

一気に空気が冷えた。パジャマさみー。


20120222