小説 | ナノ


「お前、何故俺たちが幻影旅団だと知っている?何故俺たちのアジトで眠りこけていた?何故パクノダの能力でお前の記憶が読めない?」

幻影旅団団長がぺらぺらと饒舌に話しかけてくる、私に。おめめデケー肌キレーうわーイケメてるー

「おい、聞いているのか」
「ええ!それはそれはもう!イケメンですね!あ、そんなドラマがありましたけどそういう意味じゃなくて!心の底からの称賛です!」
「御託はいい。聞いているなら質問に答えろ」

質問、に、ねえ。うーん。さて、何から話せばいいのだろうか。この状況にはいまいち私自身もよくわかっていない。

「ささとするね。殺されたいのか」
「あ、フェイタン。思ってたよりも小さい」

しまった、と思った矢先にはフェイタンの怒りの矛先が私の喉元に突きつけられていた。ひ、ひえー!思ったことがぽろりと出てしまう素直な私めっ!口は災いのもととはよく言ったもんだなマジで。

「待って待って待ってください!殺さないで!ひとつずつゆっくり丁寧に説明しますからね!」

あ、お茶とかないんですか?と聞けばフィンクスにぶん殴られた。ちくしょーこのジャージ野郎め!強化系のパンチっていてーんだなちくしょーっ!

「ええと、ひとつめの質問ですね。何故あなたたち幻影旅団を知っているかということについてですね、単純明快に言うとあなたたちが私の読んでいた漫画の登場人物だからです。ふたつめ、何故私がここで寝ていたのか、それは私も全く存じません。普通に家のベッドで寝ていたはずなんです。起きたらここにいました。だからパジャマなんでしょうね。そしてパクノダさんの能力で私の記憶が読めないというのは、そうですねぇ、私の仮説ですけれども、この世界で築いてきた記憶じゃないからだと思います。以上の点から、この状況が私の夢、か、私がこの世界にトんできた、つまりトリップしてきたのではないかということが推測されます。他になにか質問があれば答えられる範囲でお答えしますが、クロロさんパクノダさんフェイタンさんシャルナークさんフィンクスさんマチさんコルトピさんフランクリンさんボノレノフさんノブナガさんウヴォーギンさんシズクさん、なにか質問は?」

可愛くないだろうけれどもニコリと微笑んで見せれば(しかもパジャマ)みんなして私へ怖い目線を送った。こえー。旅団こえー。


20120221