小説 | ナノ


流川は「え、楓くんは巨乳も貧乳もアウトオブ眼中なのホモなのどうしようそんなアブノーマルな猥褻な本この辺の河川敷や公園の隅に落ちてるかなあ」云々とせっかく体育館まで来てくれた苗字を外に摘まみだした。ぺらぺらと猥褻な言葉が次から次にこぼれおちる苗字を見て湘北バスケ部員はだいぶ引いた。「流川、かわいそうに」と思った部員も少なくない。

「見た目はなあ」

「見た目はよかったな」

「入学式の日にどれだけの男子があのプリティフェイスに騙されたか」

「昔そんな漫画あったな俺リナちゃん派」

「なんで流川あの子とつるんでるの」

「・・・別に、つるんでる覚えは・・・」

「そういえば苗字さん、流川くん以外といるのってあんまり見ないよね」

「なんだ友達いない同士が寄り添ってんのか」

「・・・寄り添ってるワケじゃねー…ス、けど」

「よーし練習すっか」


寄り添っているわけじゃない。寄り添われている流川くん。


20120214