小説 | ナノ



「あれ名前!めずらしいなあどないしたん。あ、お茶煎れるからその辺てきとうに座っといてな、汚くてごめんな」

「うん、ヒメコちゃんありがとう」

「で、なんだ、なんか用か」

「藤崎くん冷たいよ、こんなに閑散としたスケット団に依頼に来たんだからもっと歓迎してくれてもいいと思う。生徒会はもっと歓迎してくれるんだけど。主に椿くんが」

『それは苗字が椿と付き合ってるからだろう』

「えっ!」

「うーん、そうかも?でもミモリンとかデイジーちゃんとかもっとアットホームに受け入れてくれるよ。こんな横になって鼻に指突っ込みながらなんか用か、なんてありえないよ」

「え、待て待て待て、おい、おま、え、お前、椿と付き合ってるの!?え?」

「え、ボッスン知らんかったんか。まあ兄弟いうてもそんなプライベートぽんぽん話したりせえへんよなぁ。特にアンタらは」

『もうすぐ付き合い始めて1年になる』

「そうなんだよ。でね、でね、私たち多感な年ごろじゃない?あ、このお煎餅おいしー」

「そうやろそうやろ中谷さんから貰うたんよ」

「えー!どこのだろう。家でも食べたいなー」

「なんやったかなーほら駅地下の、えーとな、店の名前もここまででかかっとるん、緑の看板の」

「あーっあーっ!わかったわかった!さっそく買ってくるね!じゃあね!ありがと!」

『おい待て苗字、お前なにしに来たんだ』

「あっそうだった」

「なんやボッスンそんないじけよってほらおせんべ食べ」

「苗字が椿と付き合ってるなんて聞いてないんですけど!」

「その椿くんなんだけど!」

「なんやなんや」

「セックスしてくれない」

「・・・・」

「・・・・」

『・・・・』

「淫行条例に!ひっかかるから!セックスしてくれない!の!」

「名前、椿にそんなん求めたらアカンで」

『どこまでもカタいやつだからな』

「でももう1年だよ意味がわからない全裸で椿くんの前に立ちはだかったのに!」

「・・・・」

「・・・・」

『・・・・』

「なんで椿は名前と付き合ってるんやろなあ」

『とりあえず煎餅でも食べて落ち付け』

「ボッスンちょっと真面目に聞いてよあんたの弟どうなってんのインポなの」


20120207
椿でてませんねすみません色々すみません