小説 | ナノ



「南野君この前リーゼントの厳つい人と歩いてたよね」

「見かけたんだったら声くらいかけてくれてもよかったのに」

「彼氏だったら邪魔しちゃ悪いし」

「怒るよ?」

「えー、かっこうよかったよね、リーゼントで、なんていうか硬派系?」

「苗字さん、ああいうのが好みなんですか?」

「最近リーゼントがかっこよく見えてしょうがないの。水戸君とか」

「ああ、バスケ漫画の」

「そうそう」

「残念。桑原君には好きな人がいますから」

「そういうんじゃないんだってば」

「髪の毛をおろした水戸君とリーゼントの俺なら、どっちが好みです?」

「うーん、ていうか私、南野君ふつうに好きだしなあ、うーん」

「え」



20120202