小説 | ナノ


「ぜ、は、ぁ」

無理無理!もう無理!なぁにが筋力も持久力も勘も実戦で身につけろ、だ!無理!ばか!
さて、そんな訳で私はあの天空闘技場に居る。こんにちは。最下層で100連敗間近です。



「ってもなあ、俺たちゃあ名前に教えれることなんかこれっぽっちもねえのよ」

30体近くいた煙の中から本物のモラウさんを見つけるのはいともたやすかった。脈が動いているのは本物のモラウさんだけだったから。「おまえ、そっから脈の動きまで見えんのか」そう言われたがまああのモラウさんに捨てられた。ノヴさんにすがったが寄るなと一蹴にされた。

「会長の頼みだしなんとかしてやんなきゃいけねえ気はすんだけどよ」

めんどくせーんだよなー、というのがありありと顔に出ていた。うんうんと唸ればそうだとノヴさんが眼鏡をあげる。

「天空闘技場に放りましょう」

動体視力が良いのなら怪我はしないでしょうに。まあ身体が付いていけば、なんですけど。AHAHAHAHA。ノヴさんは軽快に声だけで笑った。そして私はなんだかとんでもないところに放り入れられたのだ。おわり。


(いえ、まだ続くんですよ)

20111020