小説 | ナノ


寒空のもとセックスをしてそれからぶっ倒れたのは私の彼氏ではない。腐れ縁とも言える旧友である。

「それじゃあイルミのことよろしくお願いします」

ぶっ倒れたイルミをおぶり、妹のアルカたんの手を引き、来たのはゾルディック邸の門の前である。
ここから本邸までは黒のハイヤーで移動するのが決まりなのであとは執事さんたちに任せることにする。

「アルカたんバイバイ〜!でへへ」

アルカたんマジ可愛い。天使。そういえばそんなことを壊れたようにキルアぼっちゃんが言っていた気がする。さて、あれはいつのことだったか。

「名前さーん!おにいちゃんが名前さんの名前をうわ言のように呟いてる!」

あらやだきもちわるい。

「そんなわけで私は今イルミのお見舞いに来ているのである」
「ゼリー」
「はい、あ〜ん」

布団に投げられてからイルミの意識は戻ったようで暴君降臨キターーー(゜∀゜)ーーーー!!!!!そんな感じです。永遠に寝ていれば良かったものの。

「うまい」
「アマネさんが作ったゼリーだからね。そりゃあ美味いわ。」
「そういえばこの前のことだけどさあ」
「無視!」
「どうだった?俺けっこう頑張ったんだけど」
「なんの話だよ」
「保健室セックス」

ああ。そんなこともありましたなあ。屋上セックスして私がイルミの体力のなさにダメだしをしたところ、すこし喧嘩をした。学校をサボり筋トレをしていたイルミとの再開は一週間後、私が側溝に落ちていた通学路である。足を挫いた私をイルミは軽々だいて保健室まで直行。そしてセックス。そんなこともありましたなあ。

「まあ、うん。よかった」
「それはどうも。よかった」
「イルミもそういうこと気にするもん?」
「それはするでしょ。俺も男だし。名前はともかく他の女を抱く時にさあ、ねえ」
「はいはい」

イルミはモテる。モテるのだがたまにこういう去勢をはったりする。今日はあれか、風邪だからか。

「まあなんでもいいんだけどさあ、マジでへんな病気だけはもらってこないでね」
「なにそれ嫉妬?」
「ちげーーーわ」

てめえ歯ァ食いしばれ。さっさと寝ろ。眠る手伝いはしてやっからよぉ。……扉の向こうにアマネさんさえいなければな。




翌日イルミはフル復帰を果たしたわけですが、体育はいつもどうり見学で三角座りでピースしてましたとさ。
イルミ病気編これにて完結。



20131231