小説 | ナノ


夏休みからやっていたハイスピード推理アクションゲームは事件トリックもさることながらストーリーも大変素晴らしかった。あーん。私はやっぱり狛枝くんが好きかな。イケメンだから。一息ついて紅茶をすする。窮屈に折り曲げられていた身体を伸ばしながら、ふと窓を見るとイルミの弟らがこちらを見ていた。ここは通学路にある某ファミレスである。



「ビンボー女学生にたかるたァいい根性してんじゃねーかよぉ金持ちどもがよぉ」
「ごめんねゴルゴンさん」
「カルトくんは許す」

目が合ったらが最後イルミの弟、ご存知カルトくんとあんま交友の少ないキルアくんがズカズカファミレスに入ってきて、私一人でゆうゆうと使っていたボックス席はあっという間に狭くなってしまった。と、いうのも2人して私と同じ側のソファに座るからだ。なんで向かいに座らないの?バカなんだろ?バーーーカ。あーカルトくんかわいい。ぎゅうぎゅう。

「おっこのゲーム懐かしいー!なに?ゴルゴンこういうのやんの?」
「よっ呼び捨て……!?」
「ケチケチすんなよ。イルミの友達だろ?」

イルミまで呼び捨て……!私がイルミの妹だとしても呼び捨てにすることなんてないし出来ないんだろうな、ふ、ふふふ、それを考えるとこうして友達(?)でよかったんだろうな、うんうん。
なかなか面白かったよなソレ、とキルアくんがいうので面白かったねーと言う。特によかったのはキボウのカケラを集めるとパンツが貰えるところだよね、と言ったらカルトくんがなにソレと首を傾げる。かわいい。

「えっとね、キャラクターの好感度をあげれるんだけど、好感度が上がると手にいれれるものがあってそれがキボウのカケラなのね。で、それが集まるとゲームの中で必要なスキルとオマケでそのキャラクターのパンツもゲットできるの!」

カルトくんはふーんと言ってから私にギュッと抱きついてきた。なになに?なんだ?!デレ期?!?!

「どう?ゴルゴンさん好感度上がった?」

えっなにこのこ…!日向くんにパンツあげちゃうみんなの気持ちがよぅくわかる!わかるぞこれは!

「なにカルトはゴルゴンのパンツが欲しいの?」

私が悶えているところを真顔にさせたのはすっきりしているボックス席の向かいに座ったイルミだった。なんで来たのコイツ。

「ウィンドウから俺のかわいい弟たちが見えたからね」

そりゃあ来るしかないでしょと口元だけで笑ってた。

「それで何?ゴルゴンのパンツ狩りの話?いつやるの?」
「パンツ狩りじゃなくて恥じらいながら差し出してくれるのがいいです」
「ばっかゴルゴンはノーパンごときで恥らうような女じゃないよ」

そのあとバカでかいパフェが運ばれて来て、カルトくんとイルミが私のパンツ論を語りキルアくんは真っ赤になりながらパフェをひたすら食べていたので私はクロロにラインでも飛ばしてやるかとスマホをさわった。



20131022
ダンガンロンパ2