小説 | ナノ


「うおおお。いてえ、いてえよぅ」呻いていた私の前にきりりとつり上がった目が現れる。「なにやてるね」フェイタンは問う。私は相も変わらず呻きながらも親切に答えてやった。「お腹が痛いよぅ子宮が痛いよぅ死んじゃうよぅ」そうすればフェイタンは嬉しそうに最初からろくに開いてもいない目をめいっぱいに細めた。
「殺してやろか」
一瞬どきりとしたが、ああ、ばかなフェイタン。私は強化系だよ。ちょっとやそっとじゃあ傷なんてつかない。殺されるとわかっていながらなんの抵抗もなしにこの身を捧げるほど健気ちゃんでもない。そもそも団員同士のマジ切れ禁止、をフェイタンが忘れているのか。いや。それはない。なんだかんだでこいつもクロロに従順なもんだ。おかしくなって少し笑って「フェイタンに私を殺せるわけがないだろうがよ、ばーか」と言えばやはりそうなのか、フェイタンは面白くないように私を乗せたソファを蹴り飛ばすものだからその衝撃でますます子宮は痛い。ちくしょう。

201109??
memoログ
20120404
訂正加筆