小説 | ナノ


「名前は今なにしてるんだ」

「キャバ嬢」

「きゃ、」

「キャーバー嬢ー。風丸のそういうところ相変わらずなんだね。可愛い」

「中学の時からお前はビッチ臭がしたが」

「そんなビッチ女に付き合ってくれてどうもありがとういい中学時代でした」

「そんなビッチが卒業してからどうしてるのかたまに気にはかけていたが」

「居なくなって寂しかった?」

「・・・まあ、多少は」

「じゃあ今度から寂しくなったらお店来てよ。これ名刺。大抵週末はいるから」

「・・・いくらだ」

「初回おひとり様5000円ぽっきり」

「じゃなくて!」

「じゃあどういう…」

「お前の余生はいくらで買える」

「…余生って、それってまるで」

「プロポーズだが!で!いくらで買えるんだ!」

「そっそんなの!エンゲージリングいっこぶんもするんだからねっ!」

「お安い御用だ!じゃあ行くか!」


(風丸にお姫様だっこをされて恥ずかしげもなく街を駆け抜けて、それから辿りついたのは冷房がガンガンに効いたブライダルショップ)


20120818

おさまるところにおさまるという話が書きたかったんですが